山のグレーディング

6986

登山道の難易度について

関東山歩き案内index

 多数の山々を擁する長野県は2014年6月に登山道の難易度について「グレーティング」を公表しました。
技術的難易度をAからEの5段階、体力度を1から10の10段階の2次元方式で表す試みです。
 これに基づいて各所の山岳ルートの難易度付けが山と渓谷誌2017年の1月号の付録山の便利帳に
出ています。100、200、300名山を中心に各県内の主要ルートを抜粋したものが出されました。
 各県の公式発表のグレーティングは各県のHPを確認するといいでしょう。「山の便利帳」には
秋田県、山形県、栃木県、群馬県、新潟県、富山県、山梨県、何故か長野県だけは無くて、代わって信州
があいります。岐阜県、静岡県、石鎚山系の10県1エリアの計11箇所を、10×5の升目に並べたものです。
北海道、大雪山については別形式になります。
 百名山については県エリア別とは関係なく、再掲しています。
 体力度のランク付けは後述の表以上についての説明はありません。
 でも2017年8月7日の新聞記事では技術的難易度についての具体的な記述がありました。
 以下は読売新聞からの引用です。山と渓谷誌2023年1月号付録山の便利帳からの引用です。両社で
若干文言の違いがあります。

 体力度については

体力度

私的解釈  間違っているかもね。
日帰りが可能 アプローチ共ゆとりのある一日コース。
日帰りが可能 近いアプローチを含め丸一日かかる。
日帰りが可能 遠いアプローチによっては1泊したい。
1泊以上が適当 1泊は必要と考えたい。
1泊以上が適当 1泊ではきつく、2泊でゆとりを。
1〜2泊以上が適当 1泊はきつく、2泊が適当か。
1〜2泊以上が適当 2泊は必要と考えたい。
2〜3泊以上が適当 2泊ではきつく、3泊でゆとりを。
2〜3泊以上が適当 3泊が適当か。
10 2〜3泊以上が適当 3泊と予備日を必ず。

技術的難易度については

技術的難易度
  無雪期、天気良好の条件のもとです。 これは山と渓谷誌 山の便利帳の転載です。
一部、信州 山のグレーディング より加筆しました。
  登山道 技術・能力
 登山道がおおむね整備済み
 転んだ場合でも転落・滑落の可能性は低い。
 道に迷いの心配は少ない。
 登山の装備が必要。
 沢・崖、場所により雪渓などを通過。
 急な登下降がある。
 道が分かりにくい所がある。
 転んだ場合転落・滑落事故にに繋がる場所がある。
 登山経験が必要。
 地図読み能力が
あることが望ましい。
 ハシゴ、くさり場、場所により雪渓、徒渉箇所がある。
 ミスをすると転落、滑落などの事故になる
場所がある。
 案内標識が不十分な箇所も含まれる。
 地図読み能力、
ハシゴや鎖場などを
通過できる
身体能力が必要。
 厳しい岩稜や不安定なガレ場、ハシゴや鎖場、
ヤブこぎを必要とする箇所、場所により雪渓や
徒渉箇所がある。 手を使う急な登下降がある。
 ハシゴや鎖場、案内標識などの人工的補助は
限定的で、転落・滑落の危険箇所が多い。
 地図読み能力、
岩場・雪渓を安定して
通過できるバランス能力や
技術が必要。
ルートファインディングの
技術が必要。
 緊張を強いられる厳しい岩稜の登下降が続き、
転落・滑落の危険箇所が連続する。
 深いヤブこぎを必要とする箇所が連続する場合が
ある。
 地図読み能力、岩場・雪渓を
安定して通過できる
バランス能力や技術が必要。
 ルートファインディングの
技術、高度な判断力が必要。
 登山者によってはロープを
使わないと危険な場所もある。
くさり場 登山道の岩場での転落防止のため、鎖を設置した場所
徒渉箇所 橋のない川や沢などを歩いて渡る場所
ガレ場 斜面崩落した がれき が堆積し足元が不安定な場所
ヤブこぎ ササや低木などが密生するヤブを手でかき分けて進むこと

 入山口から山頂までの登山道につき、1A、2B、3Cのように判断するもので、穂高縦走の場合も
山頂間のルートごとに判断するものです。
 残念ながら読売新聞の記事でも山の便利帳でも1〜3、4と5、6と7、8〜10内のランク付けについては、
記事になっていません。みなみらんぼう氏の山歩きの記事(読売新聞夕刊毎週木曜日連載。但し連載は終了)
ではおにぎりを5ケ示して、お疲れ度「おにぎり二つ」の(他者でも★の数だったり、、)ように1次元的に
表すよりは段ちの進歩ですね。

B 道が分かりにくい場所がある
C 案内標識が不十分な箇所がある

この2項目はとんでもないことだと思います。
 道がわかりにくい場所があるのならわかりやすくしようよ。 わかりやすくしてください。わかるようにしろよ。!
 案内標識が不十分な場所があるのなら十分にしようよ。 十分にしてください。十分にしろよ!!!

 この2項目に該当する箇所のうち幾つかはボランティア団体や気の付いた個人が
相応のアクションを起しています。ボクたちも仲間になれないかなぁ。

道がわかりにくいなら、適切に判断できるように、、、。      判断能力を高めようよ。
案内標識が不十分なら、標識に頼らなくても進めるように、、、。地形と地図を読む能力を高めようよ。
テナ具合のソフト対応ではしょうがねえぞぃ。

関東山歩き案内index

山と渓谷誌一月号付録「山の便利帳」に記載された県、州、山系、山
2017年     群馬県   新潟県   山梨県 信州 岐阜県 静岡県    
2018年     群馬県 栃木県 新潟県   山梨県 信州 岐阜県 静岡県    
2019年   山形県 栃木県 群馬県 新潟県   山梨県 信州 岐阜県 静岡県 石鎚山系 大雪山
2020年   山形県 栃木県 群馬県 新潟県   山梨県 信州 岐阜県 静岡県 石鎚山系 大雪山
2021年 秋田県 山形県 栃木県 群馬県 新潟県 富山県 山梨県 信州 岐阜県 静岡県 石鎚山系 大雪山
2022年 秋田県 山形県 栃木県 群馬県 新潟県 富山県 山梨県 信州 岐阜県 静岡県 石鎚山系 大雪山
備考     順変更       長野県     県域跨ぎ 別形式
いずれも特定のコースについて注意書きや詳細説明がある。
本文はそれぞれ県のホームページを閲覧するほうがいい。

 2020年から21年にかけて県予算余りの富裕県が「無駄遣いお祭り」に世界中と県予算逼迫の周辺貧乏県を
巻き込みました奥多摩のような初心者のピクニックコースから上級者のゲレンデを擁しているのにもかかわら
ず、このグレード公表の作業が遅れていることについて、その首長を責める気はありません。民主党解体の大手
柄で自民党の事実上の一党独裁を実現した大功労者ですもの。                     富裕県=都
 東京都、神奈川県、埼玉県※などの初心者向けのコースも多く、利用者の多い都県でも、早く公表されると
いいですね。ぼったくり男爵にたかられているようでは無理ですかねぇー。贈収賄天国が暴露されましたが。
 茨城県、千葉県はそう関係なさそう。危険な箇所はありますが、高い山が幾つもあるわけでも無いので。
※ 京都府、奈良県、大阪府、兵庫県。広島県、福岡県。(人口の多い府県の例)

関東山歩き案内index end

 皆さんのお住まいの都道府県の山々について、1Aとか、2Bとかここでの判断基準で評価して、他府県の別の
山に出かけて、それらの山の基準を比較して、1A,2Bなどの評価が一致して「山のグレード」としての感じが
同じでなければなりません。こうして自分の体力度等の可能性と目的山岳の難易度が比較されます。他府県の
難易度のわからない山のルートについて見当が付けられれば能力以上の山へ行って「つらい」体験をすることも
なく、物足りなかったということも有りません。全箇所統一的な判断基準が求められるわけです。その意味で
大雪山が別形式では意味が有りません。

 2023年5月某日、「信州 山のグレーディング」というパンフレットを入手しました。(2021年)令和3年3月の
記入のあるものです。数年前のものですか。
 山と渓谷誌一月号付録「山の便利帳」に記載されたものと基本的には同じですが、ヤマケイの方は若干省略
されています。パンフのほうは123のコースについて記述しています。124番と125番として東京都の高尾山の
表参道と琵琶滝のコースをともに2Aとして記入しています。これなら高尾山の該当コースヘ行って、難易度を
実際のコースで体験できます。同じ2Aに評価される「信州」内の他のコースを見比べて、南北アルプス等の
難易度について推測できますね。とてもできゃしないよーん